青函連絡船の名前にはなぜ「丸」がつくのですか?

摩周丸や青函連絡船だけでなく、日本の船の名前には「丸」がつくものがとても多いです。これは日本だけの伝統で、外国でも船には固有の名前がつけられますが、特定の文字がつく例はありません。

日本の船の名前に「丸」がつけられるのは、平安時代末期からはじまり、江戸時代には一般化していましたが、由来ははっきりしません。

古代から中世にかけてよく使われた人名・一人称代名詞の「まろ(麿・麻呂)」がなまって「まる(丸)」となり、男の子や、愛犬・愛馬、刀・楽器など愛用の道具に「〇〇丸」と名前をつけた慣習が、起源となっているのではないか、という説が有力ですが、確定していません。

船には必ず名前をつけなければいけないのですが、明治時代に日本の船の名には「丸」をつけることが推奨されたこともあり、戦前は、ほとんどの一般商船の名に「丸」がついていて、外国の人は日本の船のことを MARU SHIP(マルシップ)と呼んでいたほどでした。

戦後はそういう規定(推奨)もなくなり、 「丸」のつかない船も多くなっています。女の子の名前に「子」をつけることが少なくなったのと、なんとなく似ています。