車両甲板、機関室は見学できないのですか?

残念ながら、直接入って見学することはできませんが、車両甲板、第一主機室、総括制御室の3か所にネットワークカメラを設置し、展示室のパソコンから遠隔操作(パン、チルト、ズーム)して大型モニターで見ることができます。

展示船となった摩周丸の船内で、原型のまま保存されていて自由に見学できる部分は、船橋(操舵室)と無線通信室だけです。

前部グリーン船室(指定席)、寝台室は展示室に、甲板部士官居住区はレストラン(現在はサロン=無料休憩所)に改装され、原型はまったく失われています。多目的ホールは、中部消音器室の位置に新しくつくったものです。甲板の機器類も、大半は取り除かれています。

一方、後部グリーン船室(自由席)、普通船室、食堂、機関部士官居住区、総括制御室、機関室、車両甲板、普通船員居住区等は、ほぼ原型をとどめているのですが、見学はできません。なお、後部グリーン船室は外(遊歩甲板)から窓越しに見ることができます。

なぜ入ることができないのかは、そもそも展示船として改造する際に、これらの公開をまったく考慮しなかった、ということにつきます。特別な公開とするにしても、見学者の安全(健康を含む)が確保できないのです。

アスベストの問題がいちばん大きいのですか、公開にはこの除去をはじめ、見学通路、照明、空調、防災設備等々の整備が必要で、多大な費用がかかります。

また、改造することにより原型が失われることにもなり、近い将来の実現は困難と考えています。