摩周丸就航50年記念会

本年6月、青函連絡船摩周丸は、就航から満50年を迎えます。

摩周丸は1964年から続々と就航した「津軽丸型連絡船」の第5番船として、今から50年前の1965年6月30日(函館発12時25分20便)に就航しました。

津軽丸型連絡船は、1954年に起きた、台風で5隻の連絡船が沈んだ洞爺丸事件をふまえ、安全性に最大限、配慮したばかりではなく、あらゆる部分で航行の自動化を進めた高速・近代化船で、その高性能ぶりから、同じ年に走りはじめた新幹線になぞらえ、「海の新幹線」と称されました。

また、青函連絡船は、1925年から船の中に線路を敷き、貨物を貨車ごと積み込む「車両航送」を開始しました。以後、新造された青函連絡船はすべて車両航送船で、摩周丸(津軽丸型連絡船)はワム換算で48両の貨車(東北本線の貨物列車1編成分)を積むことができました。

1987年、国鉄分割民営化。摩周丸は、ほかの7隻とともにJR北海道に引き継がれ、1988年3月13日の青函連絡船最後の日まで「海の上のレール」として走り続け、その22年9か月の就航期間に3万5493航海し、運航距離399万7555キロメートル、旅客1168万367人、貨物1245万7254トンを運びました。

青函連絡船全体では、1908年3月から1988年3月の80年間で、約71万8000航海、運航距離8089万キロメートル、旅客1億6100万人、貨物2億4600万トンを運び、文字どおり本州と北海道を結ぶ大動脈でした。

青函連絡船廃止後、摩周丸は母港函館で保存されることになり、1991年に第三セクターにより「メモリアルシップ摩周丸」として開業。2002年に函館市に移管され「函館市青函連絡船記念館」となり、現在、私ども「語りつぐ青函連絡船の会」が函館市の指定管理者として管理・運営し、青函連絡船の歴史と文化を伝えています。

思い出は文化財に-函館の海に輝く宝石
「摩周丸」就航50年記念会
  • 日時:2015年6月30日(火)11時30分~16時50分
  • 会場:函館市青函連絡船記念館摩周丸
  • 主催:函館市青函連絡船記念館摩周丸、特定非営利活動法人語りつぐ青函連絡船の会
  • 共催:青函連絡船OB会
  • 協働(摩周丸讃歌制作):札幌スクールオブミュージック専門学校
[内容]
  1. 国旗、信号旗(船舶識別符号JHMI)掲揚(8時30分~18時)
    日の丸とJHMI旗を掲揚します。かつてはどちらも入港時に掲揚していました。
  2. 出港模擬(11時30分~12時35分)
    もと乗組員が摩周丸初就航の1965年6月30日20便(函館12時25分出港、青森16時45分着岸)に合わせて、出入港時作業風景を再現します。
    乗船名簿の配布、ドラ、船内アナウンス等もあります。また、就航時は乗っていませんでしたが、マリンガール(1980年~1987年の夏季と終航時に乗務した臨時女性職員で、乗客の案内、観光案内放送等を担当していた)も乗船します。
  3. 記念会 式辞・祝辞(13時~)
  4. 摩周丸讃歌楽曲発表(13時25分~)
    札幌スクールオブミュージック専門学校の学内コンクールで、最優秀賞ならびに函館市長賞となった作品「心の宝物」(作詞・作曲:庄田拓矢)を発表・演奏します。
  5. 記念講演「文化財にみる日本の心」(13時50分~)
    講師:近藤誠一(近藤文化・外交研究所代表、前文化庁長官)
  6. 記念座談会「文化財としての摩周丸」(14時20分~)
    座長:湯川れい子(音楽評論家・作詞家)
    出席:近藤誠一、須田寛(JR東海相談役、全国産業観光振興推進協議会副会長)、里憲(青函連絡船OB会会長、もと機関長)
  7. かたふり会(懇親会)(15時30分~)
  8. 入港模擬(16時30分~16時50分)
  • 記念会(楽曲発表、記念講演、座談会、かたふり会)ご参加は、摩周丸(0138-27-2500)までお電話でご予約ください。それ以外のイベントは、ご自由にご参加(ご覧)いただけます。
  • 参加費は無料です。ただし摩周丸入館料が必要です。