摩周丸は何トンですか?

客船の大きさは「総トン数」で表されます。トンといっても、容積を換算したもので、重さではありません。

ほかに、貨物船で使われ、積める貨物の重さで決められる「載貨重量トン」、軍艦などに使われ、排水量(船を浮かべたときに押しのけられる水の量。船の重さと同じ)で決められる「排水トン」というのもあります。

総トン数の算出法は法律で決められ、法律が変わると数値も変わります。

摩周丸は、新造時の規程では8327.71総トンでしたが、1967(昭和42)年の法律改正後の改測で5363.33総トンとなりました。

一気に3000トンも小さくなってしまったのですが、これは、上甲板(船首から船尾まで全通する甲板で一番上の甲板。連絡船では車両甲板が該当)上の船倉(連絡船では車両格納所が該当)は含めなくてよい、とされたためです。もちろん、船自体の大きさは変わっていません。

その後、1974(昭和49)年に再度改測され5374.85総トンとなりました。このころシャワー室を増設しており、これが加算されたものと思われます。

さらに、1980(昭和55)年にまた法律が変わって、外板や甲板で囲まれた部分の内側の全容積を算出するようになったのですが、「以前につくられた船はそのまま」ということで変更されませんでした。

もし測りなおせば、約1万トンになると思われます。

なお、船自体の重さは約4000トン(水や燃料、人、貨車等を積んでいない状態)ですが、重さと船の能力(大きさ、乗れる人数、積める貨物の量など)とはあまり関係がないので、資料として表示することは、ほとんどありません。