乗るときホームを走ったそうですがなぜですか?

青函連絡船に乗った経験のある人は、よく「みんなホーム走った」という話をします。その理由は、

(1)多客期は乗り切れないこともあるため
列車の自由席は定員をオーバーしても乗れるのですが、青函連絡船は定員を守って運航していました。特急や急行の乗客、また、乗り継ぎ列車のきっぷを持っている人は優先して乗船できましたが、そうでない人は積み残されることもありました(やむを得ない状況で臨時に定員を増やすことはあった)。

(2)よい席を確保するため
青函連絡船には、座席(じゅうたん敷きの広間)と椅子席とがありましたが、寝ていける座席のほうが人気がありました。しかし、ひとりあたりの広さは0.56平方メートル(56センチ×1メートル)で計算されていて、しぜんと、あとの人のぶんは、だんだん狭くなっていくのです。窓ぎわの角、じゅうぶんくつろげるスペースを確保するために、人々は走りました。

(3)みんなが走っているから
はじめて青函連絡船に乗る人は、なぜみんな走っているのか、わからなかったでしょう。でも、みんながみんな走っているので、つられていっしょに走った、という人も多かったのではないかと思います。

などです。